たとえばお尻が痛かったとします。
お尻(股関節まわり)にはたくさんの筋肉があります。

その場所に「梨状筋(りじょうきん)」があったとしても、その痛みの原因は梨状筋ではないかもしれません。

なぜなら梨状筋のその上には「大臀筋(だいでんきん)」が覆い被さっています。
同じ場所に複数の筋肉が重なっているし、周辺にもいろんな筋肉があるんです。
(右のお尻を後ろから見ている図です)

 

さらに、最終的に痛みが出ているのがお尻の部分だったとしても、そこが原因ではないことも多いです。

たとえば太ももの内側(内転筋)が原因で、股関節の動きが悪くなり、結果としてお尻の部分が痛くなるという。
こんなことはよくあります。
 

これは仏ももを輪切りにした断面図なのですが、

筋肉ってこんなにミッチリ詰まっているんです。
そのためどうしても相互に関係しあうんですね。
 

で、僕がどう治療しているかというと。

たとえば股関節の治療なら。
足を持って股関節をグルグル回してみて、その動きの中でどの筋肉が問題なのかを感じとります。

この角度で動きが悪いならこの筋肉に問題がありそうだな、とか。
これはもう経験からくる感覚で、言葉にすることができません。
 

もし自分で問題を改善させたいと思うなら、骨格や筋肉の構造を勉強して、自分の体の動きを感覚的に注意深く観察してください。

そして見つかった問題が、筋肉のコリや短縮によるものならストレッチ。
炎症ならアイシングや安静にする。
 

「これさえやっておけば完璧!」みたいなものがあればいいんですけどね。

出し惜しみしているわけではないってことをご理解いただければと思います。