「痛み」とは体の異常を伝えるためのサインです。

痛みがあるということは、何かがおかしいと考えられます。
 

それはレントゲンでわかるような器質的なものであったり、はたまた精神的なものであったり。
 

ただ、異常は痛みのあるところだとは限りません。

どうしても「痛いところが悪いはず」と思いがちです。

そう思う気持ちはよくわかります。

でも必ずしもそうとは限らないのです。

 

妊婦さんの股関節痛

マタニティ整体で通ってくれている患者さん。

お腹が大きくなってきて、股関節に痛みが出るようになってきました。
 

「どんなストレッチをしたらいいですか?」

と質問されました。

股関節をどのように動かし、どのように伸ばせばこの痛みを無くすことができるのかと。
 

体はいろんなことが絡み合って、関係し合ってその症状が出ています。

ひとくちに股関節が痛いといっても、全ての股関節痛が同じ原因ではありません。

だから、股関節が痛いときはこういうストレッチをしたら治る。というものはありません。

(もちろんストレッチはあるけでど、それで治るかどうかはわからない)
 

施術しながら診ていくと、その患者さんは股関節にはそんなに問題がありませんでした。

股関節が痛いんですよ?でも股関節にはあまり問題はなかったんです。
 

これは整形外科とかいっても同じようなこと言われますよね。

レントゲン撮ったけど、骨には異常ありません。じゃ湿布だしときますので様子見てください。っていうやつ。
 

だって股関節には問題ないんだからしょうがないです。
 

その患者さんの場合は、体のバランスが悪くなって、股関節に負担がかかるような状態になっていた。

股関節ではなく、骨盤や体全体のバランスを調整したら、股関節の痛みはなくなりました。
 

その患者さんがすることはストレッチではなく、正しい重心で歩くこと。

 

痛みのあるところだけが悪いわけではない

痛いところが必ずしも悪いわけではない。

こういうことってよくあります。

いや、むしろ痛いところが悪いことの方が少ないかもしれません。
 

もちろん痛いところが悪いこともあるので、痛いところも診ますけど。
 

でもこういうのは人によっては、なかなかわかってもらえないんですよね。

しょうがないとも思うんですけどね。
 

わかる人はそれを気を付けると再び痛みが出ることがなくなるので、少しでもわかってもらえるよう、精進するしかありません。