わぁ!
ユミちゃんのお弁当豪華~
そぉかなぁ?
え?
自分で作ってるの?
うん
もしかして料理教室とか通ってる?
あ~、そうかも
20年くらい
え、そんなに?(笑)
私も行きたい!
どこ?
お母さんのとなり
朝、治療院の準備をしているときにラジオを流しています。
そのときにたまに流れる東京ガスのラジオCM。
初めて聴いたとき、かなり感動したのを覚えています。
ギャルっぽい女の子が、最後に「お母さんのとなり」と言ったとき。
その前に言ったフレーズが映像化されて……
20年間、台所のお母さんの隣で。
最初は幼稚園くらいの頃にお手伝いから始まり。
自分のお弁当は自分で作るようになり。もしかしたらお父さんのお弁当とかも作ってるかも。
それら料理の全てをお母さんから教わっている、その風景。
ラジオCMという音声だけの僅かな時間で、瞬間的にグッと目頭が熱くなり胸に込み上げてくるものがありました。
東京ガスのラジオCMはいろんなパターンがあって、それぞれに面白いんです。
作家さんの優秀さがビジバシ伝わってきます。
その中での上記のCMは一番好きです。
ただ、繰り返し聴くなかで、
「私も行きたい!どこ?」
の、「どこ?」に、僕は違和感を覚えます。
料理教室のことを知りたい友達。
「どこの料理教室?」という質問のしかたからしても、「どこ?」という言葉を使っても全くおかしくはないのですが、それでも流れの中での違和感を感じてしまいます。
しかし最後のキラーワード、「お母さんのとなり」。
そこに続く質問の仕方としては「どこ?」が最適。
流れの中で違和感はありつつも、間違った言葉のチョイスではない。
それを言ったら
「もしかして料理教室とか通ってる?」
っていうのも、実際には通っているわけではない。
でもユミちゃんの返答が、
「あ~、そうかも、(まあ、料理教室みたいなもんかな、教えてもらってるし)」
こんな感じのニュアンスが伝わってくる。
これは声優さんの演技力も素晴らしい。
ラジオCMという音声だけで、しかも僅かな時間(数秒)の中で、これだけ映像的、物語的に想像力をかきたてられ感動させられる。
作家さんの言葉の紡ぎ方が素晴らしい。
こうした感動を与えられるレベルにまで、自分の仕事を昇華させたいものです。