子供の頃、夏休みは祖父母のいる田舎へ帰省していた。
近くに泳げる海があって、そこで飽きずに朝から夕方までずっと海で遊んでいた。
この飽きずに遊ぶ集中力は、それを成し得る「体力」からくるものなのか?
はたまた成長期の脳の構造によるものなのか?
大人になると、時間の流れが速くなる。
子供のころは、その時間が永遠に続くかのように感じていた。
この時間の感覚は脳の構造に関係が深いように思うので、やっぱり飽きずに遊ぶのも子供の脳だからこそかもしれない。
子供の頃にそうして海で遊んだ経験は僕にとっての大切な思い出であり人生の財産だ。
自分の子供にも同じようにしてあげたいという思いから、毎年夏休みには海に遊びに行くことにしている。
そして子供たちは、子供だった僕と同じように日が落ちるまで飽きずに波と戯れている。
それに付き合う大人になった僕は大変である。
飽きずに遊べるのが脳のおけげならば、体力はもちろんだが脳の衰えの方にこそ恐怖を覚えるのである。
照りつける太陽の下で綺麗な海で泳ぎながら、そんなことを考えているのもどうなのかと思うのだが。
そして今年もまた夏がやってきた。