僕の持病はベーチェット病といって、自己免疫疾患の一種で。
簡単に言うと、正常な自分の体を攻撃して炎症を起こす。
という面倒な病気なんです。
そういう病気の人の内臓はどうなっているのか?
という研究のために、僕は選ばれました。
大学病院の治療は、治療とはいえ、それが新しい治療法開発のための実験でもあります。(#もっと適当な言い方があるはず)
そういうもですから、僕はもともと「治してもらおう」と思って病院にいってなくて、生きた病気のデータを提出しにいってる感覚です。
そんな訳ですから、今回の検査にも喜んで応じました。
だって検査代を研究費でまかなってもらえるんですもん。(#要するに無料で検査してもらえる)
ただし問題がひとつ
以前にもブログに書きましたが、この検査を受けるに当たって問題がひとつ。
いや、この検査に絶対に必要なものではないんですが、材料は多いほうがいいということで、検便をしなければいけなかったのです。
【過去記事】いま一番の悩み
これは本当に問題でして、僕はいつもお腹がゆるくて。
別にそれが普通だし、元気だし、問題だと思ったことがありません。
ただ、検便となれば話しは別。
ちゃんと提出に耐えうる便をしなければいけないのです!
ビールを我慢すれば大丈夫だと思っていたのですが、そんな節制をする間もなく、あっという間に検査前日がやってきました。
前日は21時以降、絶食
今回のカプセル内視鏡検査では、主に小腸をみます。
胃腸を空っぽにしておく必要があるため、前日21時以降は絶食。
水は飲んでも大丈夫ですが、水以外は飲んじゃだめ。
僕は過去に断食道場に3週間入って断食したこともあるので、空腹は全然平気なんです。
水さえ飲めたら全然平気。
でも当時の朝はコップ2杯まで。
それ以降は本当に何も口にしない。
いざ、検便
さて、いよいよ検査当日。
朝のトイレで運命の検便です。
どうぞゆるさ控えめでお願いします!
無事、採取に成功しました。
その後の、家を出るまでのんびりと過ごす僕の顔をみた奥さんが、
「清々しい顔してんなぁ」って言ってました。
そりゃそうです。
僕にとってはもう終わったも当然。
いざ、病院
検便を大事に抱えて、いざ病院へ。
着いたら、血圧と体温と絶食状況を聞かれて、そのままいきなり検査準備です。
先生がペタペタと、心電図のときのような受信機をお腹に貼っていきます。
いまの技術では、まだこれがないとお腹の中からの電波を拾いきれないらしいです。
これに記録装置を繋ぎ、それをポシェットのように肩から下げて1日を過ごします。(#ポシェットって……)
これがカプセル内視鏡だ!
これがあのカプセル内視鏡です。
ひとくちで飲み込むとなると、ちょっと大きい感じがします。
錠剤とか飲むのが苦手の人は大変そうです。
ちなみに僕はこういうの、全然平気です。
それよりも!
ちょっと動画をご覧ください。20秒ほどなので。
真っ暗なお腹の中を撮るために、LEDがチカチカ光ってるんです。
すごい! ハイテク! めっちゃ機械!
こんなもの飲み込んで本当に大丈夫なの先生!?
まあ先生は過去に五回くらいは飲んだらしいので、大丈夫なのでしょう。
目の前でちゃんと生きているし。
ということで飲みます。
このとき、時刻は10時。
リアルタイムで食道、胃の中が!
ポシェットの記録装置にはモニターがついていて、いままさにお腹の中から送られてくる画像が写し出されます。
飲んですぐに、食道を通り、胃に入っていく様が!
こんなリアルタイムに見ることができるなんて……
リアル「ミクロの決死圏」ですよ。
映画の世界が現実になっています。
テクノロジーの進歩は目覚ましいものがありますね。
ここから2時間後に、胃を通過して小腸に入るのを確認します。
そこまではフリータイム。
そして2時間後
時刻は12時。
先生と待ち合わせていた僕はすこしドキドキしていた。
5分ほど遅れてきた先生はすごくオシャレをしていて、いつもより可愛かった。というのは冗談で。
モニターを確認した先生が、
「ほら、この毛みたいなのが小腸の特徴なんです。
順調ですね!」
って。
ほう、これがあの絨毛ってやつか。
なかなか綺麗な小腸してるやん、俺。
小腸に到達しているのが確認できたので、ここからは水は飲んでいいことになります。
決してコーヒーなどは飲んではいけません。
小腸内が真っ黒になって、小腸壁の確認ができなくなってしまいます。
食事はここから2時間後
そして、ここから2時間後。
14時になったら、おにぎりかサンドイッチを食べていいことになります。
おにぎりは二個まで、サンドイッチは一つ。(たぶんコンビニで売ってるやつを基準にしてると思う)
具は何でもいいみたい。
ソースがいっぱいついているカツサンドでもいいんですか?って聞こうと思ったけど、あんまり冗談通じなさそうな空気だったのでやめました。空気の読める男。
実際には、持参していた「塩おむすび」を二個食べました。
実は、これらのことは事前に渡されていた資料にしっかりと書いてあります。
次は5時間後、17時に待ち合わせ。
場所は渋谷です。嘘です。
17時に病室で
17時になりました。
今度は先生は10分前にきました。
まだ17時にはなっていません。
モニターをみた先生。
「あれ? まだ小腸……」
予定では、もう小腸は通過して大腸に入っているはずでした。
しかしそれは個人差が大きいところ。
小腸全てを撮りたいので、受信機をつけたまま帰って、また翌日とかに持ってきて下さい、とのこと。マジか。
と、思ったら、
「あれ? これもう大腸かな?」
と、先生。
「ちょっと歩いてみてください」
と、もう17時になって、人気の無い病院の廊下をいったりきたりとスタスタ歩く僕。
看護師長さんとかに見つかったら、確実に怒られそうな雰囲気。
そのときは先生、助けてね。
歩くと腸が動いて進むんですって。
再度確認すると、しっかり大腸に移動していることが確認できました。
すごくいいタイミングでしたね、って言う先生。ホンマか?そんなに上手くいくもんか?
受信機を取り外す、というか「剥がす」
無事、全小腸を撮ることができたので、お腹に貼り付けてある受信機を取り外します。
このシールが強くって、めちゃめちゃ貼り付いています。
過去に、これを剥がしたあと、真っ赤になっていた人がいたそうです。
ゆっくりと剥がしていくのですが、その感じは絆創膏を剥がすというよりは、カサブタを剥がしていく感じ。
めっちゃ痛い。
毛が引っ張られて、なんて生やさしいものでなく、もう皮膚を持っていかれそうなくらい貼り付いてて……
なにげに今回の検査でこれが一番辛い。
めっちゃ痛い。
ようやく剥がし終わったあと、皮膚にはまだシールの糊が残ってて、シャツが貼り付くという。
最後のミッション、カプセル回収
さて、小腸の検査は終わりましたが、あのハイテクカプセル内視鏡はいまだ僕のお腹の中です。
通常、便と一緒に出てきます。
検便と同じく、また便を確認してその中にカプセルがあるかどうかを確認していきます。
ここで、ちゃんと見つけられたら何の問題もありません。
しかし便に埋もれたカプセルを見つけることができずに、流してしまった場合、ちゃんと体外に排泄されたかどうかの確信が持てません。
また、排泄されずに体内に残る可能性もあります。
ですから、カプセルが回収できなかった場合は、腹部のレントゲンを撮ることになります。
あと、カプセル内視鏡が体内にあるときはMRI検査は絶対にしてはいけないそうです。
もしMRIに入ったとき、どうなるかは教えてもらえませんでした。
たぶん何かが孵化するんだと思います。冗談です。
俺の大腸はハイウェイ
病院をあとにして、無事に帰宅しました。
長い1日でした。
するとお腹が訴えかけてきました。トイレへいけと。
普段ならすぐいくのですが、いまはできるだけ便をためて、確実にカプセルを回収したいじゃないですか。
さっき大腸に入ったのを確認してからまだ2時間くらいです。
さすがにまだ出ないだろう、と思い、我慢もできなくなったのでトイレへ。
出してスッキリ。
さすがにまだ出てないだろう、と思いながらも念のためにチェック。
すると中でチカチカする光が! マジか。
これ、光ってたから見つけられたけど、時間が経って電池切れて光らなくなってたら目の悪い僕には無理だったよ。
しかしどんだけ速いねん、俺の大腸。
割り箸でつまんでトイレの決死隊。
無事にカプセル回収に成功しました。
そしてエタノールでしっかりと消毒。
チカチカ光っているのを息子たちにも見せてあげることができて、非常に良い経験になりました。
当然、家族は誰も触りません。
翌日には電池が切れて、もう息をしていませんでした。寂しかったです。
カプセル内視鏡は使い捨て
物としてはそんなに安いものではないと思うんです。
だから、外側だけでも取り替えて使い回すのかと思っていました。
でもカプセル内視鏡は使い捨てです。
回収したものは貰えます。ケースもちゃんと貰いました。
お守りとして大事にしようと思います。
まとめ
カプセル内視鏡検査。
僕にとってはすごく負担の少ない検査でした。
人によっては、飲み込むのが大変かもしれません。
あとは、きちんと回収できるかどうかですね。
最後、いつ出てくるのかは本当に「人による」って感じで、僕はとにかく早かったと思います。
でも便の度に確認はしっかりした方がいいと思います。
追記
結果がでました!
【後日記事】カプセル内視鏡検査、結果がでました!