僕は15年くらい前、『マクロビオテック』という食事療法(?)をしていました。

いわゆる『玄米菜食』で、動物性のものや砂糖を摂らないというものです。
 

鍼の師匠にすすめられたからだったのですが、あわせて断食療法なんかもやったことがあります。

いま流行のファスティングの先駆けですね。
 

こういうのをやりだすと、身体の調子って良くなるんです。

良くなることを体験するわけですから、それはもう「良いもの」として身体に刻み込まれるわけです。
 

でもね。これを何年も何十年も続けたら体調が悪くなってしまうことがあるんですよ。

僕は真剣にやってたのは3年くらいだったので、悪くなることはなかったのですが精神的にはかなり追い詰められました。
 

もう砂糖なんて『毒』扱いですから。

お菓子なんて食べてしまった日には、食べてしまった自分を責め、そのせいで体調不良を起こす恐怖におそわれ。
 

こんな思いをするなら、玄米菜食なんて始めなければよかった。

それまでは普通の食事でもちゃんと生きていたんだから、って。
 

ほんとアホらしいでしょ?

でも、ある意味宗教みたいなものなので、そこにはまっているときは冷静に考えられないんですよね。
 

話しがそれましたが、今回言いたいことはこれじゃなくて。
 

食事でも運動でも整体でも、最初は効果が出るんです。

でもそれは絶対的なものではないということです。
 

体調が悪いからなんとかしようと思い立つとき、身体の状態というのはそれはもう悪いわけです。

悪すぎるから、ちょっと身体に良いことをすると時として劇的な改善が見られるわけです。
 

それが体験として身体に刻み込まれて絶対的なものだと信じて疑わなくなる。
 

この信じて疑ってない人をみると、胸が締め付けられます。

だってそれで健康そうじゃなかったりするもんですから。
 

最悪だったときからは脱しているんでしょうが、その偏った価値観がまた別の健康被害を生みだしているよね、って。
 

どれだけ健康に気をつけていようとも人間なんてどうせいつか必ず死ぬんです。

絶対的な健康法なんてないんです。
 

ちょっとくらい良くなったって、それが「絶対」とは思わないように注意しましょう。

そういう「洗脳」的なことをしてくる人がいっぱいいる世の中ですので。